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【中小企業向け】Z世代の可能性を最大限に引き出すアプローチ・教育方法
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2024.4.24
最近、「Z世代との接し方が難しい」「Z世代は扱いにくい」などの声を耳にすることがあります。
今回の記事ではZ世代との接し方、教育方法について考えていきます。
■Z世代とは?
そもそもZ世代とは具体的にいつ生まれた人々を指すのでしょうか。
実は明確な定義はなく、諸説あります。一般に1990年代中期以降から、2010年頃までに生まれた世代を指すことが多いようです。
Z世代はITバブルの崩壊、リーマンショック、東日本大震災、そしてコロナ禍と、不況と不安の中で成長してきました。
<Z世代の特徴>
- デジタルネイティブと呼ばれ、デジタルツールを使いこなす。
- 安定志向が強い。
- コスパ(コストパフォーマンス)、タイパ(タイムパフォーマンス)を重視する。
- 多様性を重視する。
- 競争が苦手で仲間を大事にする。
- 環境問題や社会問題に関心があり、社会貢献したいと考えている。
■教育対象の中心となってきたZ世代
1996年生まれを基準にすると、大卒ならちょうど令和元年(2019年)以降に就職した若者ということになります。今後Z世代は企業の教育対象の中心となっていきます。
■「やる気がない」「仕事ができない」と言っていても改善しない
企業において、Z世代はどのような印象を持たれているのでしょうか。企業における「Z世代についての悩み」を挙げてみました。
- 勤務態度は真面目だが頼んだ仕事しかしない。
- 自分で考えようとしない。
- 仕事が残っているのに相談もなく帰ってしまう。
- 叱るとすぐ落ち込む。
- 会社の行事(飲み会など)に参加したがらない。
- 連絡をメールやチャットで済ませようとする。
- 褒めたのにあまり嬉しそうじゃない。
- 敬語が使えない。
- 思ったよりパソコンが使えない。
- 基本的なことができていないのに自己評価だけは高い。
ジェネレーションギャップからZ世代を否定的にとらえる人もいるかもしれませんが、Z世代がどのような特徴を持っているのか理解し、彼らのポテンシャルを最大限に「活かす」ことが重要です。
■Z世代の特徴・価値観・働き方
<Z世代の特徴と価値観>
Z世代は安定志向であることが特徴です。
不況の中で育った影響か、コスパ重視でブランド志向も強くありません。「もの」より「その時にしかできない体験」に価値を見出す傾向があり、浪費せず堅実なお金の使い方をする人が多いようです。
また、Z世代は個性を尊重する「ゆとり教育」を受けているので、多様性を尊重する傾向があります。そして自分自身も「自分らしさ」を尊重してほしいと考えています。
<Z世代の働き方>
①効率重視
Z世代は生まれた時からネット環境が整っていて、スマホで検索すれば欲しい情報がすぐに手に入る環境で育ってきました。そのためお金や時間を無駄にすることを嫌います。目的が明確でないと、その仕事に意義を感じられないため、やる気をなくしてしまいます。
②ワークライフバランスを重視する
Z世代は仕事とプライベートのバランスを重視しています。自分の時間を大切にしていて、残業のない会社でマイペースに働きたいと思っています。当然仕事とプライベートを分けて考える人が多いため、会社の飲み会などの参加には消極的です。
③多様な働き方に抵抗がない
デジタルツールの使用が得意なので、むしろリモートワークができる会社に魅力を感じるようです。
Z世代は動画などを視聴する際に倍速再生して時間を節約しているといいます。通勤時間を無駄な時間と捉え、リモートワークを望む人もいるのです。
④厳しい上下関係は苦手
上下関係や年齢にとらわれないオープンなコミュニケーションを望んでいます。
自分を否定されたり、強く叱責されたりする経験にとぼしいため、打たれ弱い側面もあります。
■Z世代のキャリア観
①出世はしなくてよい
個人差はありますが、競争が苦手で争いを好まない傾向があります。出世することによって貰える給料に対して、背負う責任の重さが割に合わないとも感じています。
ここにもコスパ重視の考え方が表れています。
②転職への抵抗が無い
Z世代は安定志向でありながらも、「より自分らしく働くこと」を望んでいるため、もっと条件の良い職場があれば転職することに抵抗がありません。副業に関心がある人も多いようです。
■Z世代への接し方・教育方法
①個性を尊重し、個別に教育する
Z世代といっても人それぞれです。一括りにせず「個」を理解しようと努めることが大切です。叱る必要もなくそつなく仕事をこなしているように見えても、「上司が何も言ってくれないが、これで大丈夫なのか。自分はこのままでは成長できないのでは」と不安を抱える人もいます。適切にフィードバックを行うようにしましょう。良いところは褒めて伸ばす。改善してほしいところがあれば、必ず理由を添えてアドバイスすることが大切です。
②仕事の指示をするときは、目的や必要性を伝える。
効率を重視するZ世代は、自分が意義を見出せない仕事をやりたがらない傾向があります。仕事を指示するときには、その仕事の目的や必要性をきちんと伝えることが重要です。
③初めて任せる仕事はあらかじめ手順を教える。
Z世代は失敗して無能扱いされることを恐れています。初めて任せる仕事の場合、研修などを行うようにしましょう。慣れた人には簡単に思える仕事も、マニュアルなどで、あらかじめ作業手順や留意点を確認させることでZ世代は安心します。先輩社員が淡々と作業をこなしているのを見せて、「見て覚えろ」というのは避けた方が良いでしょう。
④人前で叱らない・褒めない
Z世代は否定されたり叱責されたりすることに慣れていません。とはいえ、ミスを繰り返さないためには場合に応じて、しっかりと伝える必要はあります。その場合、1対1で伝えることを心掛けましょう。人前で叱ってしまうと「恥をかかされた」と心を閉ざしてしまうかもしれません。
また、褒める時にも注意が必要になります。
Z世代は承認欲求が強く、褒められたい願望はあるものの、人前で褒められるのが苦手な人もいます。人前で褒められて目立つことによって周囲から浮くことを不安視したり、プレッシャーを感じたりするのが理由です。
⑤Z世代の強みを活かす
Z世代は自発的に物事を思考するのは得意ではありませんが、目的を与えて適切に指示を出すことができれば真摯に仕事に取り組んでくれます。
個々を尊重しながら、対話することによって信頼関係を築いて行くことが何よりも大切です。
これから社会はDX化に向かっていくことが予想されます。デジタルネイティブであるZ世代は、きっと会社の重要な戦力として活躍してくれるはずです。