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中小企業における業務効率化の推進方法・取り組み事例
お知らせ
2024.4.24
■中小企業における業務効率化の重要性
現在日本経済はゆるやかに上昇していると言われますが、深刻な人材不足、原材料の高騰などにより、中小企業をとりまく環境は依然として厳しい状況です。
さまざまな施策を打つ上で、基礎体力とも言える生産性の向上・業務効率化を推進していくことが重要になります。
■中小企業における業務効率化の手法、推進方法
1.「無駄」の削減・業務の簡略化
まずは無駄な業務を洗いだし、削減していく必要があります。慣例化している業務の中に、不要なものやすでに時代に合わないものもあるかもしれません。
会議も明確な目的があるもの以外は、コミュニケーションツールなどを活用して手短に開催できないかを検討してみましょう。移動の手間や資料の配布など、会議に付随する無駄を省くことが出来ます。
また、最近では会議で紙の資料を配布することは少なくなったかもしれませんが、ペーパレス化を推進して文書をデジタル化すると、用紙代や印刷代を削減するだけでなく情報共有ができるようになるメリットもあります。デジタルツールで情報共有することで業務の効率化を図れます。
その他に、承認フローを見直して簡略化することや、承認フロー自体を電子化することも効率アップにつながります。
2.業務の標準化(マニュアル化)
業務効率を上げ生産性を向上させるには、業務の属人化を排除して、誰が作業をしても同じ成果を出せるように標準化していくことが重要です。
そのためには具体的な手順やトラブルが発生した時の対処など、誰が見てもわかるようにマニュアルや業務フローを作成する必要があります。
また、マニュアルは一度作ったから良しとするのではなく、グループのメンバーに定期的にヒアリングを行い、見直しをして改善、更新していくことも大切です。
3.業務のシステム化
業務システムには生産管理システムや、在庫管理システム、顧客管理システム、勤怠管理システムなどさまざまな種類があります。どのシステムを選べば効果的なのかは企業によって異なりますが、導入によって大きく業務効率が向上する可能性があります。
また、AIやRPA(※)などの活用も選択肢になりますが、それぞれ得意分野があるので、特性に合わせた活用が必要です。例えば、製造現場などではAIの製品検査への活用、パソコンでの決まった手順の事務処理があるならRPA導入で自動化などが考えられます。システム化によって人為的なミスを減らすことができるのもメリットです。
その他に、情報共有システムや、コミュニケーションツール(Microsoft Teamsなど)も業務効率化に有用です。
※RPA=(ロボティックプロセスオートメーション)パソコン上で行うルーティンワークを自動化する技術。
(使用例:請求書の作成、作業報告書の作成など)
4.業務の集約(一元化)
同一の業務が複数の部署で発生している場合、それぞれが業務を行うより集約して一元化することで効率が良くなります。この時、集約することによって業務が属人化しないように同時に標準化も行っていきます。集約後も、誰でも同じ手順で行えるようにすることが大切です。
5.業務のアウトソーシング(外部への業務委託)
全ての業務プロセスで、アウトソーシングが可能か検討をして、必要に応じて外部に委託を行うのも一つの方法です。従業員を会社のコア業務に集中させることによって人材の育成にもつながります。
しかし、委託した業務については自社にノウハウが蓄積しないというデメリットもありますので、どの業務を委託するかの選択は慎重に行う必要があります。
■取り組み事例
独自の社内システムで生産業務を効率化した事例
改善を進める中で人材育成にも効果が出ているようです。
引用:デジタル活用・DX事例集 vol.36 株式会社駒屋
~社内システム構築による生産業務効率化。金型管理やQRコード活用など独自の仕組みづくりも~
https://www.tokyo-cci.or.jp/digital-support/column_36/
データのデジタル化で「見える化」の徹底。残業をゼロにして休暇を取りやすい職場に改善した事例
従業員の子育てや介護にも柔軟に対応して、コロナ禍のリモートワークにもスムーズに移行。改善への意識が高く、他にもペーパレス化による賃料などの削減など改善効果が表れています。
引用:デジタル活用・DX事例集 vol.6 株式会社ティル
~テレワーク・デジタルによる仕事の見える化で従業員満足度向上~
https://www.tokyo-cci.or.jp/digital-support/column_6/
生産管理・情報共有でIT・デジタル技術を活用した効率化の事例
専門家のアドバイスで業務ツールを決定し、自社で業務アプリを開発することによって、従業員の負担を減らし生産性も向上しています。
引用:デジタル活用・DX事例集 vol.28 株式会社今野製作所
~業務プロセス可視化とノーコード開発で、受注から出荷までの一元管理・効率化を実現~
https://www.tokyo-cci.or.jp/digital-support/column_28/
廃棄物ビジネスのDX化により業務を大幅に効率化した事例
受付・契約・決済などアナログ作業が多く時間がかかっていた作業をデジタル化し、属人化しがちだった配車ルート作成を「AI配車システム」構築で効率化しています。
引用:デジタル活用・DX事例集 vol.31 白井グループ株式会社
~営業・配車・収集のシステム化により産廃物ビジネスのDXを目指す~
https://www.tokyo-cci.or.jp/digital-support/column_31/
顧客情報の管理にRPAを導入することによって時間外を削減した事例
顧客訪問時の購入履歴確認もスムーズになり、顧客との会話が増えたことで売り上げと社員のモチベーションアップにも効果があったようです。
引用:RPAの導入により定型業務を自動化し、残業時間短縮を実現した企業
https://mirasapo-plus.go.jp/jirei-navi/case_studies/1525
アウトソーシングの活用や、ロボットの導入。慢性的な人材不足を改善して時間外を削減した事例
生産性向上により余裕が出来たため、それぞれの家庭事情を考慮した勤務時間に対応できるようになり、パート社員が増えて人手不足が解消しています。
引用:機械化やアウトソーシングを活用で社員の負担を軽減。就業時間内にスキルアップの時間も確保できるようになった。
https://mirasapo-plus.go.jp/jirei-navi/case_studies/507
若手社員定着への取り組み、映像マニュアル作成、属人的業務の標準化への取り組みの事例
社員食堂をカフェテリア風にリフォームして休憩時の居心地の良さも実現。企業説明会などにも積極的に参加。応募者には職場見学も行い、人材確保に努めているようです。
引用:職員が長く働きたくなる職場環境を実現
https://mirasapo-plus.go.jp/jirei-navi/case_studies/1815