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よくある中小企業における経営課題、ITによる解決方法、事例
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2024.7.30
■よくある中小企業における経営課題
IT活用と言っても、どこから手を付けたら良いかわからないという企業は多いでしょう。
ITツールを選定するには、まず自社の経営課題を明確にすることが重要になります。
経営課題別にどのようなITツールで改善できるのか見ていきましょう。
[経営課題①]売上向上とマーケティング
見込み客の獲得と育成
MAツール(マーケティングオートメーションツール)※
フォーム作成ツール
メール配信ツール
チャットボットツール
※MAツール=新規顧客獲得におけるマーケティング活動を自動化するツール
営業活動の効率化
SFAツール(営業支援システム)※
名刺管理ソフト
Web会議システム
※SFAツール=案件管理、顧客管理など営業活動を支援するツール
顧客管理の効率化
CRMツール(顧客関係管理ツール)※
Webチャットツール
チャットボットツール
※CRMツール=すでに獲得済みの顧客情報を管理し、顧客との関係を強化していくツール
[経営課題②]コスト削減
帳票のデータ化・ペーパーレス化
オンラインストレージ
物品管理システム
ワークフローシステム
勤怠管理システム
出張費・移動費の削減
Web会議システム
オンライン商談ツール
[経営課題③]生産性の向上
業務の効率化
RPAツール(ロボティックプロセスオートメーションツール)※
物流ロボット
購買管理システム
※RPAツール=ソフトウェア上のロボットで人間がPCを使用して行うルーティン業務を自動化するツール
テレワークへの対応
リモートアクセスツール
Webカメラ
Web会議ツール
■課題管理表
自社の課題を洗い出し、どの部分をIT化すると効果的なのかを把握するには、「課題管理」を行うことが有効です。
「課題管理」とは、仕事を行っていくうえで発生する「問題」を把握し、解決するために取り組むべき「課題」を管理する方法です。
課題を解決するまでの計画を立て、担当者や期限を決め、進捗を管理していくには「課題管理表」の作成が重要となります。
課題管理表で課題を可視化して共有することによって、チーム全体で改善意識を持って仕事に取り組むことができます。また、課題の優先順位が明確になるため、仕事をスムーズに進められるようになります。
課題への対応プロセスを記録することによって、ノウハウとして蓄積していけることもメリットの一つです。
課題管理表の作成方法と必要な項目
課題管理表の項目に決まりはありませんが、次のような項目を設定することが多いです。
課題番号は通し番号にしておくと管理しやすいでしょう。
①課題番号
②課題のタイトル
③起票日
④起票担当者
⑤課題の詳細
⑥対応担当者
⑦対応期限
⑧進捗の詳細
⑨対応ステータス
⑩対応完了日
重要度にかかわらず、なるべく多くの課題を起票して共有することが改善につながります。
また、課題管理表を運用していくうえで大切なことは、定期的に全てのメンバーがチェックする仕組みを設けることです。
課題管理を行うことで、IT導入で解決できることも見えてきやすくなります。
■各課題の解決方法
ITツールを使用した経営課題の解決方法の例をあげてみます。
例① 顧客管理に関する課題
〔発生している問題〕
顧客に定期的に郵送するハガキや案内が多く作成に時間がかかっている。
課題① 顧客によってハガキを送る時期が異なるため、Excelでの顧客の抽出作業に時間がかかる。
課題② ゆくゆくは案内を郵送からメールに切り替えたいが、顧客の理解が得られるかわからない。
課題③ メールに切り替えた場合、送る時期が顧客によって違うため、管理するのが難しい。
〔考えられるITツール活用法〕
CRMソフトの導入
やよいの顧客管理 24 +クラウド のように、筆まめなどの一般的なハガキ印刷ソフトと連携しているものもあります。
また、CRMの一斉メール送信機能を使用することで、顧客に郵送からメールへの切り替えの可否を確認するアンケートを送信できます。了承が得られた顧客から順次メールに切り替えていけば、ハガキにかかるコストを削減できる可能性があります。
例② 業務の効率化に関する課題
〔発生している問題〕
現場へ直行直帰する従業員が多く、タイムカードの打刻漏れが起きやすい。担当者が個別に従業員に確認を行う必要があり、勤怠管理に時間がかかっている。従業員の時間外を管理出来ていないため、気づいた時には時間外がオーバーしてしまっている場合がある。
課題① 打刻漏れのフォローがしにくい。
課題② 時間外の把握がリアルタイムでできていない。
課題③ 月末月初に業務が集中しがち。
〔考えられるITツール活用法〕
勤怠管理ツールの導入
スマホでも打刻できるタイプを選ぶことで直行直帰が多い従業員の勤怠管理がしやすくなります。
打刻漏れ対策がされているものも多く、ジョブカン勤怠管理のように打刻漏れが発生するとメールで通知されるものもあります。時間外のデータがリアルタイムで可視化されることで担当者や上長がフォローしやすくなります。
例③ 見込み客の獲得に関する課題
〔発生している問題〕
店頭の他にECサイトでも商品を販売しているが、問い合わせの電話になかなか出ることができず対応が遅くなる。
課題① 出荷担当は商品のピッキング作業で席にいないことが多いため、電話に出られない。
課題② 販売担当は店頭で接客に追われているため、電話に出るのが遅くなる。
課題③ 問い合わせへの対応が遅くなることで、ECサイトユーザーに対しての印象が悪くなる。
課題④ 営業時間外には問い合わせに対応ができない。
〔考えられるITツール活用法〕
チャットボットツールの導入
ECサイトでは送料や返品についてなど、同じような問い合わせが多い傾向があります。
チャットボットをECサイトに設置することによって、担当者は専門性や緊急度の高い問い合わせだけに対応することができます。
また、チャットボットは問い合わせへのレスポンスが早いため、販売チャンスを失いにくいというメリットもあります。チャットボットツールにはChatPlusのように質問内容をExcelで作成でき、なおかつローコストで利用できるものもあります。
■中小企業のITによる課題解決事例
不動産業
デジタル改革関連法案による法律の改正をきっかけに、賃貸管理システムを導入。多くの書類に記入し押印するスタイルからペーパーレス化を目指し、業務の効率化に成功した事例。
引用:一気に現実味!2022年へ不動産DXに挑戦する中小企業
農業
販売交渉に必要な情報を把握しにくいことを課題としていた農場が、営農支援アプリを導入。収穫記録・出荷記録のデータが蓄積されることによって販売交渉がしやすくなった事例。
引用:記録を残すための取り組みが、従業員の成長や販売交渉のためのデータ取得につながりました。
製造業
役員である専務が一人で担当していた経理業務を、会計ソフトを導入したことによって経理業務が飛躍的にスピードアップした事例。
引用:事業規模にあった会計システムを導入し、経理業務の負荷軽減とスピーディーな経営判断を実現
小売業
ECサイトでのリピーター獲得を課題としていた、食品を販売する会社が定期便に特化したカートシステムを導入。煩雑だった通販業務が自動化され、受注と同時に完結するようになったことにより作業効率がアップした事例。
定期通販特化型カートシステム導入で業務の効率化&働き方改革を実現!リピーター獲得で事業拡大を狙う。
建設業
タイムカードを打刻するための労働時間超過を課題としていた建設会社が勤怠管理ソフトを導入することによって時間外を約1/3削減。働き方改革にもつながった事例。
引用:就業・勤怠管理ソフトの導入とオンライン会議の環境整備で働き方改革を推進!!
金融業
出社しなければログインできなかった会計ソフトからリモートワークに対応するものに変更。リモートワーク率が50%アップ、管理部門の作業効率も2倍以上アップした事例。
引用:クラウド会計ソフト導入でバックオフィス業務の効率化とリモートワーク率が大幅アップ!
医療
カルテ入力・管理におけるスタッフの業務効率化を課題としていた医療法人が、クラウド電子カルテシステムを導入。カルテ作成の作業効率がアップし、カルテを院内の他のパソコンからも見られるようになったことで診察の効率もアップした事例。
引用:「常に一歩先」のビジョンのもとITを積極的に導入。コロナにも負けない経営を実現。
介護
古くなった介護ソフトから介護現場に特化した管理・記録システムに一新。作業工数を削減した事例。
物流
デジタルタコメーターやドライブレコーダーの活用による運行管理の効率化、配車支援・計画システム導入による配車業務の効率化、IT点呼器の導入による業務改善などの事例。
国土交通省の「中小トラック運送業のためのITツール活用ガイドブック」には物流業界に特化した事例が多数掲載されています。