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部下のモチベーションが低い場合の対処法、上げ方、マネジメント方法
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2024.8.26
■部下のモチベーションの重要性
近年、あらゆる産業で単純作業はロボットやAIに取って替わられつつあります。そのため、社員にはよりクリエイティビティが求められるようになり、自己判断で進める領域も広がっています。
このような背景から、仕事の成果を上げるために部下のモチベーションを高く保つことの重要性は増し続けています。
■管理職?支援職?
「管理職」と聞くと、従来は「部下を管理する職務」という印象を持つ人が多かったのではないでしょうか。
しかし、最近では部下を「管理」するというより、「支援」することを重視しましょう、という考え方に変化してきているようです。上司が管理するのはあくまでも仕事のプロセスや結果であって、人(部下)ではないということです。
このような流れから、部下を管理してコントロールするのではなく、自発性を重視し支援することでモチベーションを向上させる取り組みも増えています。
■職務の意義を伝える
「モチベーション」という言葉は、しばしば「やる気」という意味合いで用いられますが、日本語に訳すと「動機付け」となり、本来は「やる気を引き起こすための原動力」というニュアンスのほうが近いです。
普段行っている仕事の出来や結果がどうか?などのフィードバックは当然重要ですが、当人が行っている職務や業務の意義を伝えることも、モチベーションを向上させるためには非常に重要と言えます。
例えばその部下の職務が最終的に、「誰にとって、どのような価値となっているのか?」「誰が助かっているのか?」「誰を幸せにしているのか?」「社会貢献になるのか?」などが働くうえでの意義にあたります。
特にZ世代の若者は効率重視で、目的や意義の感じられない仕事をやりたがらない傾向がありますので、職務の意義をしっかりと伝えることでモチベーション向上に繋げることができます。
■ミッション、ビジョン、バリュー、パーパスの策定・浸透
個別に職務の意義を伝えることも重要ですが、まず会社全体に企業の経営方針や企業理念を浸透させることが、組織全体の活性化やモチベーション維持にも繋がります。
これを行うための一つの手法として、MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)の策定、浸透があります。
※パーパスについては最後に解説します。
MVVは企業の価値観や目指す方向性などを言語化したもので、元々は経営学者のピーター・ドラッカー氏が提唱したもので、多くの企業や省庁などが取り入れている考え方です。
〔ミッション〕
企業が成し遂げたい使命や目的のことで、組織の方向性や意思決定の基盤ともなる重要な部分です。
ミッションは恒久的であることが望ましく、よほどのことがないと変更しないものと考えましょう。そのため策定は慎重に行う必要があります。
〔ビジョン〕
企業が目指す理想の未来や、中期的に達成したい目標になります。
達成すべき目標が明確になることで、従業員のモチベーション向上にも繋がります。
ビジョンはミッションと違って見直しや変更も可能です。
〔バリュー〕
企業として大切にする価値観のことで、ミッションやビジョンを達成するための行動指針ともなるものです。
〔パーパス〕
MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)とは別に、類似した言葉として「パーパス」があります。
パーパスは社会にとっての企業の存在意義を指します。
ミッションとの違いは、ミッションが企業視点であることに対して、パーパスは社会から見た企業というところにあります。社会貢献によって企業ブランド価値も高まることや、従業員のモチベーションアップなど様々なメリットが期待できるため、近年はパーパスを打ち出す企業も増えてきています。
MVVやパーパス策定の際の注意点
MVVやパーパス策定の際には、解釈の違いを生むような複雑な表現を避け、簡潔かつ明解な表現を心がけることが大切です。
また、策定するだけでは意味がなく、社員に浸透させることが最も重要です。浸透させる方法として、経営層から定期的に発信することや、1on1ミーティングでの周知、名刺や社員証に記載して普段から目にする機会を増やすことなどがあげられます。
〔MVVの事例〕
企業や省庁のMVVにはどのようなものがあるのか事例をあげてみますので、まずはイメージを掴んでみるといいと思います。
事例1 TOYOTA
・ミッション:わたしたちは、幸せを量産する。
・ビジョン :可動性(モビリティ)を社会の可能性に変える。
・バリュー :トヨタウェイ(ソフトとハードを融合し、パートナーとともにトヨタウェイという唯一無二の価値を生み出す。)
出典:トヨタフィロソフィー(TOYOTAウェブサイト)
https://global.toyota/jp/company/vision-and-philosophy/philosophy/
事例2 デジタル庁
・ミッション:誰一人取り残されない、人に優しいデジタル化を。
・ビジョン :優しいサービスのつくり手へ。
大胆に革新していく行政へ。
・バリュー :一人ひとりのために
常に目的を問い
あらゆる立場を超えて
成果への挑戦を続けます
出典:ミッション・ビジョン・バリュー (デジタル庁ウェブサイト)
(サイト内にリンクされているMVV策定のプロセスについて書かれたnoteも参考になります)
https://www.digital.go.jp/about/organization
■部下の成長を承認する
誰しも自分の成長は嬉しいものですが、自分自身の成長を知ることは、なかなか難しいと思います。そのため、「自分は成長できているのだろうか」「このままでいいのだろうか」と不安になる人もいます。
このような場合、上司に認められることで安心も得られ、さらに成長するための意欲もわいてくるでしょう。
部下のモチベーションをアップするために上司が第一にすべきことは、部下のことをよく見て現状を把握することです。部下の長所や短所を見極めたうえで、1on1ミーティングなどで適切にヒヤリングを行い、その時に具体的な目標も設定をしましょう。その後、成長が見られた時にはしっかりと認め、承認することが部下にとってのモチベーションアップに繋がります。
■その他モチベーションアップのアイデア
1.効果的にほめる
部下のほめるべき点を見つけたときには、具体的に言葉にしてほめることが大切です。
また、成果だけでなくプロセスもほめることで、部下は「ちゃんと見てもらえている」と感じることができるでしょう。
適切に評価されているとわかれば、モチベーションもアップします。
2.失敗を恐れない環境を作る
部下が失敗した時には、責めるのではなく失敗から得られるフィードバックを重視します。
失敗しても挑戦したことが評価や報酬に繋がる環境を作ることで、部下は新しいことに前向きに挑戦できるようになります。
3.部下の力量を見極め、徐々に達成感のある仕事を任せる
最初は小さなことから任せ、成功体験を積んでいくことでモチベーションもアップします。
4.表彰制度の導入
努力している社員を讃えることでモチベーションがアップします。
注意点は、表彰制度を導入する場合、総務や経理などの実績が数値化されにくい職務の社員に不公平にならないように配慮が必要なことです。